インプラント歯周炎について

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インプラント治療後の過ごし方によっては、最悪の場合インプラントが脱落してしまうくインプラント周囲炎を引き起こしてしまうリスクがあります。
せっかく治療したインプラントを長持ちさせるため、そして、インプラントだけでなくご自身のお口全体の健康を長く維持するためには、定期的なメンテナンスが大切です。

インプラントは歯周病になりやすい?

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インプラント周囲炎とは、インプラント周辺の組織が歯周病に感染した状態を言います。インプラントの歯周病とも言い換えることができます。
そして、インプラントは天然歯(ご自身の歯)と比較すると、炎症への抵抗力が低いため、細菌感染を起こしてしまうと骨吸収が急速に進行してしまいます。歯周病と同様に自覚症状が出にくく、気が付いたときには重症化しているケースも多いため、日頃のメンテナンスによる感染予防が重要となります。

インプラントが歯周病になりやすい3つの原因

歯根膜がないため、細菌感染しやすい

インプラントが歯周病になりやすい原因の1つ目として、「歯根膜(しこんまく)がなく細菌感染しやすい」という点です。
天然歯(ご自身の歯)には、アゴ骨と歯の根の間に歯根膜というものがあります。
しかしインプラントには歯根膜が存在しないため血液供給が少なくなります。そのため細菌への抵抗力が弱くなり、天然歯よりも歯周病になりやすくなってしまうのです。

定期メンテナンスや日々のお手入れ不足
定期メンテナンスや日々のお手入れ不足

次に、インプラントが歯周病になりやすい原因として「定期メンテナンスや日々のお手入れ不足」があげられます。
なぜなら、「歯の汚れ」=「細菌の塊」であるため、お口のお手入れがしっかりとできていないと細菌感染を引き起こして歯周病になってしまうからです。
もちろんインプラントだけでなく、天然歯も歯医者での定期検診や日々のお手入れができていなければ、当然歯周病になってしまいます。
しかし、インプラントは原因の1つ目に紹介したように、歯根膜がないため、天然歯よりも歯周病菌に侵される速度が約10倍速いといわれています。 
そういった意味で、天然歯よりもインプラントは歯周病になりやすいと言えます。

歯周病治療をしていない状態でインプラント治療を受けた

3つ目の原因は「歯周病治療をしていない状態でインプラント治療を受けた」場合です。
こちらは患者さんというよりも、インプラント治療をする歯科医師、歯科医院に問題があります。

インプラント部位または隣の歯が歯周病の状態でインプラント治療を進めてしまうと、インプラント周囲炎になる可能性が非常に高くなってしまうのです。

インプラント歯周炎は前述したとおり、歯周病と同じ細菌感染症の一種で、インプラント歯周炎が進行してしまうとインプラントがグラグラ揺れたり外れたりする原因になってしまいます。
そのため、通常はインプラント治療の前に歯周病治療を終わらせることが大切です。

インプラントの管理を放置するリスク

歯周病になりやすいインプラントの管理を放置してしまうと、
  • インプラント周囲粘膜炎:炎症が起きる
  • インプラント周囲炎:インプラントの動揺や脱落
  • といった2つの症状が悪化するリスクが高まります。

インプラント周囲粘膜炎:炎症が起きる

インプラント周囲炎になる前の状態が、「インプラント周囲粘膜炎」です。
名前の通り、インプラントの周囲の粘膜が炎症を起こし、

  • 歯肉が腫れたり赤みを帯びる
  • 歯肉から出血
  • などの症状が出てきます。
    ただし、歯周病と同様に、痛みや違和感を感じにくく自覚症状が出ないため、知らない間に症状が進行してしまうケースが多くなっています。

インプラント周囲炎:インプラントの動揺や脱落

インプラント周囲粘膜炎が進行してしまうと、炎症が拡大して「インプラント周囲炎」になり、

  • インプラント部位から膿が出る
  • 歯肉が退縮する
  • インプラントがぐらつく
  • などの症状が出てきます。
    進行が進んでしまうと、インプラントが取れてしまうケースも少なくありません。 インプラントを長く使うためにも、インプラント周囲炎にならないようにしっかり予防・メンテナンスすることが大切です。

インプラント周囲炎を予防する4つの予防法

毎日の歯磨きを徹底する

毎日の歯磨きを徹底する

インプラント周囲炎を予防する上でまず大切なのは、「毎日の歯磨きを徹底すること」です。
なぜなら、インプラント周囲炎(歯周病)の原因は、「細菌感染=歯の汚れ」だからです。
毎日正しい方法でインプラント部位を含むお口の清掃をすることは、インプラントだけでなく天然歯を守ることにも繋がります。
せっかく入れたインプラントを長く使い続けるためには、まず第一に日々のお手入れをしっかりすることが重要です。

歯科医院での定期メンテナンス

2つ目に重要な予防法として、「歯科医院での定期メンテナンス(定期検診)」を受けることがあります。 インプラントの定期メンテナンスでは主に、

  • レントゲン検査
  • 歯肉の腫れや排膿の有無のチェック
  • インプラント体のぐらつきチェック
  • お口の中の清掃状態の確認
  • インプラント部位を含む歯磨き指導
  • お口の中のクリーニング
  • といった検査や処置を行います。
    自覚症状が出にくい「インプラント周囲粘膜炎」や「インプラント周囲炎」になっていないかの確認もするので、状態が悪化してどうしようもなくなってしまう前に予防することができます。

禁煙

インプラント周囲炎を予防する3つ目の方法が、「禁煙」です。
なぜなら、タバコ(喫煙)とインプラントの相性は非常に悪いといわれています。
喫煙者のインプラント治療の失敗率は2倍・術後トラブルは7倍になるという調査結果も出ているくらいなのです。
実際に日本口腔インプラント学会が発行している治療指針には、喫煙がインプラント周囲炎や歯周病のリスクを上げることが明記されています。
そのため、インプラント周囲炎を予防するためには禁煙するのが非常に重要なになっています。

歯ぎしりが強い方はナイトガード(マウスピース)の着用

ナイトガード(マウスピース)

最後にインプラント周囲炎を予防する際に、重要なポイントが「歯ぎしりや食いしばりによる負担を減らしてくれるナイトガードを着用すること」です。
ただし、通常の歯ぎしり程度であれば、インプラント周囲炎が進行する心配はあまりありません。
問題となるのは、歯科医師から指摘を受けるような「病的な歯ぎしり(食いしばり)」をしているケースです。
病的な歯ぎしりをしている方は、歯ぎしり(食いしばり)による過度な力がインプラント周囲炎を進行させてしまうことがあるといわれています。
今まで歯科医師や家族等から歯ぎしりや食いしばりを指摘された経験がある方は、ナイトガードをつけてインプラントや他の天然歯を守っていくことが大切です。

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