骨が少ない方へのインプラント手術

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インプラントを埋め込むための顎の骨の厚みや高さが足りない場合、「インプラントがしっかりと固定されない」、「インプラントの一部が露出してしまう」などといった理由から治療が困難とされてきました。しかし、骨の移植や骨造成の研究開発が進み、現在では、さまざまな手法が確立されてきました。またCTによる精密な画像診断技術も進んだことから、難症例といわれてきた骨量の少ない患者さんに最適な治療法をご提案しインプラント治療を成功させることができるようになりました。

骨が少ないと言われた方へ

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「骨が少ないからインプラントが出来ない」と他の歯科医院で言われた方が相談に来られることがあります。相談に来られた中で、「骨造成」を行うことによってインプラント治療が可能になった患者様がたくさんおられます。顎の骨が薄い、歯周病で歯ぐきが下がってしまった、抜歯後の放置期間が長過ぎて、骨がなくなってしまったという方も、諦める前に一度ご相談にお越しください。当院なら、「無理」と言われたあなたの治療が、可能になるかもしれません。

上顎洞底挙上術

上顎臼歯(奥歯)のすぐ上には上顎洞という副鼻腔の空洞があります

上顎洞

日本人は頭蓋・顔面骨が欧米人のように長くないため上顎洞が近くなっています。
そのため上顎の6番(6歳臼歯)の歯根の先端(歯根尖)は上顎洞すれすれか上顎洞内に入っているかのように見えることが少なくありません。このような上顎の臼歯(奥歯)をむし歯や歯周病などで失ってしまうと、口腔内に残っている歯を支えていた骨(歯槽突起あるいは歯槽骨)の厚みは僅かですぐ直上の上顎洞までの骨量は少なくなります。
つまり、インプラントを入れる骨の量(骨の高さ)が不足していることが大半です。
抜歯した後の残存骨量が1~5mmしかないことも少なくありません。

通常、インプラントの長さは約8~10mm前後のものを使用します。そのため、既存骨の高さが10mm以上ある場合は、骨造成を行う必要はなく、そのままインプラントを埋入することが可能です。しかしながら、既存骨量が8mmに満たない場合は、上顎洞の底部にある粘膜(上顎洞底粘膜:シュナイダー膜ともいう)を挙上しスペースを作り、そこに骨造成をすることで骨の高さを増やす処置、すなわち上顎洞底挙上術が必要となるのです。

上顎洞底挙上術には二つの方法があります

①サイナスリフト

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サイナスリフトは主に、今ある骨量が5mm未満の場合に適用されます。骨量が3〜5mmの場合はサイナスリフトと同時にインプラントを埋入することが可能ですが、骨量が3mm未満でインプラントを固定するだけの骨の厚みがない場合はサイナスリフトを先に行います。その後インプラント埋入するために、約6ヶ月待つ必要があります。
サイナスリフトの方法としては、上顎の側面から穴を開け、そこから小さなスプーンのような器具を使い、直接上顎洞底粘膜を剥離・挙上していきます。挙上したスペースに人工骨を移植し、もともとの既存骨が3mm以上あればインプラントの埋入を行います。

サイナスリフトのメリット
  • 明視野で行うことができるため安全
  • 挙上できる範囲、高さに制限がない
  • 挙上する操作に不快感がない
  • 複数のインプラントに対応できる
サイナスリフトのデメリット
  • インプラントを埋入する穴とは別に穴を開ける必要があり侵襲が大きい
  • 手術時間が長い
  • 術後に腫れや内出血を伴うことがある
  • 治療期間と費用がかかる

②ソケットリフト

歯周病を放置するとどうなるのか

ソケットリフトは主に今ある骨量が5mm以上ある場合に適用されます。インプラントを埋入する穴から、オステオトームと呼ばれる器具を挿入し、上方に槌打することで骨ごと上顎洞底を挙上する方法です。挙上したスペースに人工骨を填入した後に、インプラントを埋入します。インプラント埋入後は2〜3ヶ月ほど待ち、上部構造を製作することが可能になります。

ソケットリフトのメリット
  • インプラントを埋入する穴から骨造成をおこなうため、低侵襲である
  • インプラントを同時に埋入が可能
  • 手術時間が短い
ソケットリフトのデメリット
  • 盲目的な処置であるため、上顎洞底粘膜に穿孔しても気づかない恐れがある
  • 挙上できる範囲、高さが限られている
  • 挙上する操作が頭に響き不快感を生じる

治療のリスク

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上顎洞底挙上術は、4つある副鼻腔の1つである上顎洞という空洞を囲む粘膜を挙上する手術になります。この上顎洞は、健常な人はただの空洞であり、空気が入っているだけの空洞です。
しかし、蓄膿症や鼻炎の人は、粘膜が肥厚し、場合によっては空洞の中に膿や粘液が溜まっているケースがあります。このような状態のまま、上顎洞底挙上術を行ってしまうと移植した人工骨の感染のリスクが非常に高くなります。
また、感染が広がると重度の上顎洞炎になり、感染した人工骨を除去する処置をすることになってしまいます。

以上の点から、上顎洞底挙上術をする際には、耳鼻科的な問診が不可欠であり、上顎洞内に病変が認められた際は、インプラント治療ではなく、まずは上顎洞の治療を優先しなければいけません。
また、サイナスリフト・ソケットリフトともに、手術中に上顎洞底粘膜が破れてしまうというリスクもあります。これは、執刀する歯科医師の技術や経験に依存することが多いリスクですが、術中に上顎洞底粘膜の破れに気づいた際にはコラーゲン膜を設置するなどして、リカバリー処置を行います。
万が一、リカバリー処置でも対処できないほど穴が大きくなってしまった際は、骨造成自体を断念することもあります。
またサイナスリフトでは、上顎骨の側面より穴をあけますが、その穴の部分を後上歯槽動脈という血管が走行している場合あります。その血管を損傷すると大出血につながることもあります。

GBR法(骨造成手術)

GBR(骨誘導再生)法とは、歯周病によって失われた歯周組織(歯の機能を支持する歯の周囲の組織)を再生するためのGTR(歯周組織再生誘導)法の応用で、歯槽骨の再生に特化した治療法です。
GBR法は、インプラントを埋め込む位置の骨が足りない場合に選択される治療の1つです。インプラントを埋入した後に骨が足りていない部分を骨補填材で補い、人工膜(メンブレン)で覆うことで骨が再生するためのスペースを作り誘導する治療法です。

GBRのメリット
  • 骨が不足している場合でもインプラント治療が可能になる
    インプラントを埋め込む位置に骨が不足している場合は治療を行うことができませんが、GBRで骨造成を行うことで、骨が不足している症例でもインプラント治療が行えるようになります。
  • 審美性が回復できる
    むし歯や外傷または歯周病などで歯槽骨が減ってしまい、歯ぐきが痩せてしまった場合に、骨造成を行うことで審美性を回復することができます。インプラントのための骨造成だけでなく、前歯などの目立つ部位においてはとても有効な治療と言えます。
GBRのデメリット
  • 治療期間が長くなる場合がある
    骨の状態が悪く、GBRとインプラントの埋入手術が同時に行えない場合には、骨が再生する分の治療期間(4~6か月程度)が追加で必要になります。同様に通院回数も多くなります。
  • 痛みや腫れ、感染症のリスクが上がる
    GBR法は、歯ぐきを切開して歯槽骨(歯を支えるあごの骨)から剥がし施術を行います。このため、術後の痛みや腫れがでるリスクが高まります。また、手術の内容が複雑になるため、細菌感染のリスクも若干上がることになります。
  • 費用負担が増える
    骨造成の治療が追加になるため、インプラント治療の総額は高くなります。

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所在地
岐阜県多治見市住吉町7丁目28-1
診療時間
9:00~13:00 / 14:00~18:00 土祝は13:00まで
休診日
木曜・日曜
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