歯を失ってしまい、不自由を感じている方が失った歯を修復する方法として、もっとも自身の歯に近い性能が期待できる治療法がインプラントです。
歯を失ってしまった場合の治療方法は主にインプラント・入れ歯・ブリッジがあります。その中でもインプラント治療は他の健康な歯への負担が少なく、他の歯を守ることにもつながる治療法です。
とはいえ、手術を伴う治療のため対応可能な年齢の幅はある程度の目安が存在します。インプラント治療を受ける適正年齢や条件に関して、理解されていることをおすすめします。
1996年にスウェーデンで開催された「若年者に対するインプラント治療」についての会議により、インプラントは顎の骨の成長には対応できないという点から、インプラント治療を受けるのは顎の成長が止まった20歳以降が望ましいとされました。顎の骨の成長が完了していない状態でインプラントを埋め込んだ場合、その部分の骨の成長を妨げてしまう可能性があるためです。
全身的な健康状態が良好であり手術に耐えることができる体力がある方であれば、インプラント治療を受ける上限年齢というものはありません。 ただし高齢者の場合は若年者に比べ、外科手術による身体的なリスクがあります。そのことを加味し、ご高齢の方でインプラントをご希望の方はまずは歯科医師に相談することが必要です。
高齢者の方は高血圧や糖尿病、骨粗しょう症、脳梗塞などを患っている方も多くいらっしゃいます。このような場合、手術自体をすることに制限が生じることもあります。
年齢を重ねると代謝が低下するために、傷が自然治癒する能力も低下してしまいます。
インプラントは顎の骨にインプラントを埋め込む手術が必要です。歯ぐきの切開や、顎の骨の一部を削るといった手術が必要です。そのため自然治癒力が低下していると術後、術部の腫脹や細菌感染などを起こしやすく、インプラントが骨にしっかりと定着する可能性も低くなってしまいます。
インプラントは治療をして終わりではありません。そのため全身的な体調や状態が良好であったとしても、ご自身でのセルフケアや定期的な歯科医院へ通院ができるかどうかも関係します。
セルフケアや定期的な通院が困難であれば、たとえ手術が可能であったとしても維持することが難しいと考えられます。