インプラントと噛み合わせ

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全身の健康に影響を与える「噛み合わせ」はインプラントでも大切

インプラントを入れれば歯のトラブルはすべて解消する、というわけではありません

インプラントは、今の歯科治療の中で、最もご自身の歯に近付けることができる治療法と言われています。ただし長期間使い続けるためには、患者さんご自身によるセルフケアと、歯科医院での定期歯科メンテナンスが必須です。
そして忘れてはいけない大切なことは、かみ合わせです。
インプラントをするとき執刀医は、噛み合わせを十分考慮して治療を行います。しかしインプラントは人工物であるため、長年使っていると「ずれ」や「破損」などが生じてしまうことがあるのです。

かみ合わせのチェックポイント

ご自身で上の歯と下の歯をゆっくりと軽く重ねてみてください。その際に、左右両方の奥歯はお互いに接触しているでしょうか？もし片方の奥歯しか接触していないのであれば、かみ合わせに問題がある可能性があります。

またかみ合わせた状態では前歯は、上の前歯が前で、下の前歯が後ろになっているでしょうか？上の前歯が後ろ、下の前歯が前になっている方はかみ合わせが崩れているといえます。

悪いかみ合わせによる悪影響

まずかみ合わせが悪いと、顎関節症のリスクが高くなります。
また歯は顎の骨と接触しているため、顎の骨は頭の骨と接触しているのです。そして頭の骨は、首の骨、背骨、腰の骨へとつながっています。
つまりかみ合わせが悪い状態でいることで、全身の骨に影響を与えてしてしまう危険性があるのです。
慢性的な首、肩、腰の「こり」や「痛み」に苦しんでいる方で、病院や接骨院で治療してもらっても症状が一向に改善しなかった方が、歯科医院でかみ合わせを調整することで「こり」が軽減するといったことも少なくありません。
またかみ合わせは頭痛、不眠症、自律神経失調症などの不定愁訴の原因になりうるのです

インプラントはやはり天然の歯にかなわない？

インプラント治療の際、執刀する歯科医師はかみ合わせに十分配慮して治療を行うので、治療直後にかみ合わせに支障が出ることはほとんどあるなせん。歯科医師は、治療前にかみ合わせが悪い場合は、かみ合わせを調整するようにインプラント治療をするため、むしろかみ合わせが改善することがあります。
しかし、どうしても時間が経過するとかみ合わせに不具合が生じてしまう人がいらっしゃいます。その原因となるものは、天然の歯にあって、「インプラントにはないもの」が存在するためです。それは歯根膜です。
天然の歯の表面には薄い歯根膜で覆われており、顎の骨と歯が直接接触しないようになっているのです。天然の歯で硬い物を噛む際には、歯根膜がほんのわずか動いてクッションの役割をしているため、噛むことによる衝撃を逃がすことができるのです。そのクッションの働きによって天然の歯が顎の骨を傷つけてしまうことを回避しているのです。

しかしインプラントには歯根膜が存在していないのです。
そのためインプラントには、物を噛んだ時の衝撃を分散させる仕組みが採用されています。インプラントは、顎の骨に埋める「人工歯根（インプラント体）」と「人工歯（上部構造）」と、人工歯根と人工歯をつなぐ「アバットメント」の3つから構成されています。そして3つの部品はスクリュー（ネジ）で連結されています。このスクリューを調整することで衝撃を逃がしているのです。
「歯根膜はないけどスクリュー構造があるのであれば問題はないはず」と思われる方もいらっしゃいますが、実際にはうまくいかないケースがでてきてしまいます。