インプラントブログ

妊娠中のインプラントの可否

2021.10.16

妊娠中のインプラント治療は避けるのが無難

An expecting mother holding her stomach in the park

先に結論から申し上げると、妊娠中にインプラント治療をすることは不可能ではありません。 実際に、安定期であればそこまで問題がないと考える歯科医師もいます。 ただし、この後ご紹介するリスクが存在するため、よほど特別な理由がない限り妊娠中のインプラント治療は避けたほうが安心であるといえます。

妊娠中にインプラント治療を受ける6つのリスク

妊娠中にインプラント治療を受ける場合は、後から後悔しないためにも

  • レントゲンやCTの胎児への影響
  • 治療時の体勢が妊婦に与える影響
  • 出血量が増えた際の早産の可能性
  • 麻酔薬や術後の投薬
  • 長期間に及ぶ通院負担
  • つわり時の治療

の6つのリスクを患者さまご自身も、インプラント治療にする前に理解しておく必要があります。

レントゲンやCTの胎児への影響

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インプラント治療を行うには、レントゲンやCT撮影が必要なため、胎児への放射線リスクを避けることができないことを覚えておく必要があります。
正確なインプラント治療を行うためにはこれらの撮影は必須といえるためです。
そのため、後からなにかしらの問題が起きてしまったときに「あのときのレントゲンが原因かも…」と後悔することを避けるためにも、妊娠中のインプラント治療は避けておくのが無難であるといえます。

被ばく量ついて

身体に悪影響を及ぼす被ばく量が200mSvに対して、一般的なレントゲンの被ばく量は0.06mSvと少なくなっていますが、胎児への影響が0だとは言い切れないので注意が必要です。

治療時の体勢が妊婦に与える影響

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インプラント治療時には仰向けになる必要があります。お腹が大きくなっている妊娠中期以降の方にとってどうしても負担が大きくなってしまいます。
専門的な用語だと、仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)という症状が出ることがあるのです。

具体的には、

・顔色が悪くなる

・冷や汗が出る

・吐き気を感じる

・ひどい場合は意識障害が起きる

など、母子ともに負担がかかる症状が多いため、治療時間が長くなってしまうインプラント治療は避けたほうがいいといえます。

出血量が増えた際の早産の可能性

インプラント治療は、外科手術が必要なため、一般的な歯科治療と比較すると出血量が多くなることがあります。

通常時であれば問題にならない出血量であったとしても、妊娠中は早産のリスクが高まる可能性があります。

通常時とは体が異なる状態であるため、注意をする必要があります。

麻酔薬や術後の投薬

インプラント手術時には麻酔薬や術後の投薬(痛み止めや抗生剤)が必要になります。

麻酔薬や術後の投薬で、母体または胎児に著しい悪影響があるとはいえません。

しかし、リスクが全くないということではないため、できる限り妊娠中のインプラント治療は避けたほうがよいといえます。

長期間に及ぶ通院の負担

開業時の想い、なぜこの地域で開業したのか

インプラントは、通常の歯科治療と比較して治療期間が長くなります。
なぜなら、顎の骨に埋め込んだインプラント体と骨が結合するのを待つ期間が必要になるためです。

インプラントの治療期間
・骨が十分にある場合:約4~5ヶ月
・骨が少ない場合:約7~13ヶ月

そのため、妊娠中にインプラント治療をすると、出産までに骨が結合されず治療が終わらない可能性がでてきます。
出産後はどうしても育児で忙しく、なかなか歯医者に通う時間も取れない方が多いので注意をする必要があります。

つわり時の治療

つわりがあると、お口の中に歯科器具を入れるだけでも辛いことがよくあります。

また、妊娠初期でつわりがないとしても、妊娠中期~後期にかけてつわりの症状が出てくる方もいらっしゃいます。

つわりの症状が酷くなってしまうと、治療を中断せざるを得ない可能性が出てくるの注意が必要です。

妊活中にインプラント治療を受けるタイミングは?

妊活中に歯を抜く、歯が抜けてしまった場合、インプラント治療を選択していいのか迷う方も多くいらっしゃると思います。

一般的には、妊活中の方がインプラント治療を受けるタイミングとして、

・妊娠前:妊娠が発覚した際に治療が一時中断になってもいい場合

・出産後:落ち着いて治療を進めたい場合

となります。

とはいえ、計画通りにならないのが妊娠です。

もし出産後までインプラント治療を待つ場合、歯が抜けたままの状態で放置しておくことは、患者さんにとってもお口の環境にとっても望ましくありません。

担当医とインプラント治療をする時期やタイミングをしっかりと話し合い、抜歯予定または抜歯した部位を今後どうするか計画を立てておくことが大切です。

インプラント治療中に妊娠がわかったらどうすればいい?

インプラント治療中に妊娠が発覚した場合には、すぐに歯科・産婦人科のそれぞれの担当医に状況を伝える必要があります。

基本的には母体や胎児への影響を考慮して、インプラント治療は一時中断になることが多くなります。

すでに歯がない方は、仮歯や入れ歯などを一時的に入れて機能面や見た目を補う処置をすることも可能です。

インプラント治療のどの段階で妊娠したかによって対応できる処置も異なってくるため、まずは担当医と今後の治療計画について相談することが大切です。

投稿者:ワイズデンタルクリニック

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