知覚過敏(ちかくかびん)とは
知覚過敏とは、さまざまな刺激に過敏になっている状態です。
ここでいう刺激とは、冷たい食べ物、歯ブラシの毛先、甘いものなどのことを指します。
知覚過敏じゃなくて虫歯かも?痛みの違い
知覚過敏で「痛い」「しみる」と感じるのは、その刺激を受けているときのみです。刺激がないときには、こういった症状は出現しません。症状が持続する、刺激がないのに痛いというときには、虫歯が疑われます。
虫歯の痛みの特徴としては、慢性的であること、だんだんと強くなることなどが挙げられます。
子供も知覚過敏になる?
知覚過敏というと、「大人の症状」というイメージがあるかもしれません。ただ、実際にはお子様にも起こり得るものです。
特に乳歯は、永久歯よりもエナメル質が薄く知覚過敏を起こしやすい歯と言えます。原因については大人と共通する部分も多いので、次の項目をご覧いただき、改善していきましょう。乳歯のあいだに原因を排除しておくことで、永久歯で同じことを繰り返す可能性が低くなります。
知覚過敏の原因は?ストレスも関係する?
歯磨きの力が強すぎる
歯磨きの力が強いと、エナメル質が早く摩耗します。
歯ブラシを手で握ると力が入り過ぎるので、鉛筆持ちにしましょう。また、「かため」や「ふつう」の歯ブラシを使っている方は、「やわらかめ」の歯ブラシを使用するのがよいでしょう。
歯磨き粉を付けすぎている
研磨剤入りの歯磨き粉は、一時的に歯を白くする効果が期待できるものの、細かな傷がついて逆に汚れを落としにくくなるため、あまりおすすめしません。使用する場合も、量に気をつけましょう。
歯ぎしり、悪い噛み合わせ
歯ぎしりがあったり、噛み合わせが悪いと、歯の擦り減りが早くなります。
歯ぎしりについては、ナイトガードの使用がおすすめです。保険適用にて、型取りをしてナイトガードを作製することができます。
噛み合わせが悪い場合には、噛み合わせの調整が必要です。場合によっては、矯正治療を検討しましょう。
食事による酸
食べ物、飲み物に含まれている酸は、エナメル質を溶かす作用があります。レモンなどの柑橘類、酢、リンゴ、ヨーグルトなどが好きという方は、摂り過ぎないようにしましょう。また、そういったものを口にするときには短時間で食べきる、食後はすぐに歯を磨くといったことも大切です。
虫歯
虫歯が進行すると、エナメル質が溶け、象牙質が露出します。すると、症状の1つとして知覚過敏が生じます。
虫歯をきちんと治療することで、症状は治まります。
歯周病
歯の根は、本来歯茎で覆われています。しかし、歯周病によって歯茎が下がると、歯の根が露出します。歯の根にはもともとエナメル質が存在しないためないため、知覚過敏が起こりやすくなります。
歯石除去
歯と歯茎の境目など、象牙質が露出した部分に歯石が形成されると、歯石が「蓋」になり知覚過敏の症状が出ないということがあります。しかし、虫歯や歯周病を予防するためには歯石除去は欠かせません。歯石除去で蓋がなくなることで、再び知覚過敏が起こります。
知覚過敏がこわいからといって歯石を放置していると、虫歯や歯周病のリスクが高くなり、将来的に歯を早く失う可能性が高くなります。歯石は定期的に除去してもらい、その上で知覚過敏の治療を受けましょう。
加齢
歯周病だけでなく、加齢も歯茎が下がる原因になります。歯の根の象牙質が露出することで、知覚過敏が起こりやすくなります。
ストレスによる歯ぎしり・過食症
ストレスによって、歯ぎしりや過食症が引き起こされることがあります。
歯ぎしりは、先述の通りエナメル質の擦り減りを加速させるものですので、知覚過敏の原因となります。
また嘔吐を伴う過食症も、実は知覚過敏の原因となります。嘔吐の際には、強い酸性を示す胃液が歯に触れることになります。酸によってエナメル質が溶け、象牙質が露出すると、知覚過敏が起こりやすくなるのです。
このケースが一番多いと考えられます。