歯周病は歯茎に起こる感染症で、歯周ポケットに歯垢(プラーク)が溜まることで発症します。歯垢に潜む歯周病菌が出す毒素によって歯を支える骨(歯槽骨)が溶かされることで、歯がグラグラと動き出し、やがては抜け落ちてしまいます。
厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」では、日本人の成人の8割は歯周病に関する何らかの状態にあるとされています。さらに、歯周病が発症する年齢は38~39歳がピークで、10~20代など若い方が発症する「侵襲性歯周炎」の場合、進行が早いため気付いたときには重症化していることも多くあります。歯周病は歯を支えている歯槽骨や歯茎などの歯周組織が細菌に侵され、破壊される感染症です。歯茎に病気がある場合には治療が最優先となるため、歯周病に対する知識を持つことも大切です。
矯正治療には個人差がありますが、1~3年ほどかかってしまいます。矯正治療を開始すると、一度装着した矯正器具は基本的に外しません。もし、歯周病に感染していた場合は矯正治療を行う1~3年の間に病状が進行する恐れがあります。そうなると歯の固定どころではなくなってしまい、重症化によって歯がグラグラと揺れはじめ、最終的には歯が抜け落ちてしまうリスクが高まります。せっかく歯並びを整えても、結果的に歯を失ってしまったのでは意味がありません。そのため、歯周病があれば矯正治療に入るまでにすべて治療を済ませておく必要があります。