2024.05.21
インプラント手術は、インプラントを挿入するために歯茎を切開し骨を削るという作業を行います。そのため、個人差はありますが術後には腫れが出ます。
また、インプラントを挿入する土台となる骨を作る作業を行った場合は、体に加わる侵襲がさらに大きくなるため、腫れが出やすくなるでしょう。
腫れが出た場合は術後2~3日目がピークとなり、4日目以降から徐々に軽減していくことがほとんどです。 痛みを伴わない場合は大きなトラブルが起きている可能性が低いため、腫れが引いていくのを待ちましょう。
しかし、様子を見ていても腫れが引かない場合やますます腫れてきている場合などは、何かしらのトラブルが発生している可能性があります。
抜歯やインプラントなどの手術後は、創が血餅と呼ばれる血液の塊により覆われています。しかしこの組織は、刺激や血圧の変動などの影響で簡単に壊れやすいです。
そのため、術後の出血や感染といった合併症の原因となります。術直後は創に刺激を与えないように、安静にすることが大事です。
術直後から出血が止まらない場合や異常を感じる程の腫れが起きた場合は早めに担当の医師に相談し、指示を仰ぎましょう。
インプラント手術後の痛み・腫れはいつまで続くか?
手術をする際には局所麻酔や静脈麻酔などをするため、手術直後はほとんど痛みを感じません。しかし、麻酔が切れてくると痛みは徐々に出てくることがあります。
痛みの程度には個人差はありますが、麻酔が切れてから2~3日ほど痛みが継続することがあります。
腫れも痛みが軽減されていくとともに、2~3日程で引いていきます。症状が長引いた場合でも1~2週間程で元の状態に戻っていくでしょう。
骨を作るインプラント手術を行った場合は手術による体への侵襲が大きくなるため、痛みや腫れが通常のインプラント手術よりも出やすくなります。
その場合も時間の経過と共に腫れや痛みは軽減していきます。手術当日が痛みのピークで、術後2~3日が腫れのピークとなり、10日前後で症状が落ち着いていくことがほとんどです。
まれに腫れや痛みが悪化したり状態が変わらなかったりする場合もあります。そのような症状が長引く場合は、早めに歯科医師に相談するようにしましょう。
腫れや痛みがある場合の食事のポイント
手術部位で食べ物を噛まないように注意する
手術をした部位は、インプラントがまだ骨に定着しておらず非常に不安定な状態です。衝撃を与えてしまうと、インプラントがぐらついてしまう原因になります。
できるだけ負担を与えないようにすることが大切です。また、刺激を与えることで出血や痛みを引き起こす可能性もあります。
手術をした方を使わずに食事をするのは難しいことです。気になる方は意識しながら食べるようにするとよいでしょう。 手術部位を安静に保つことで、術後の回復を妨げるトラブルを回避できます。
やわらかいものを食べる
手術をした部分の腫れや疼痛がある場合、普段通りの食事をするのは怖かったり、不安だったりする場合があるでしょう。 そのような場合は、やわらかいものを選んで食べるとよいでしょう。
硬いものを食べても問題ありませんが、心配な場合は負担になりそうなものは控えると安心です。
特に麻酔がまだかかっている状態のときは、神経が鈍感になっているため誤って口の中を噛んでしまう可能性が充分にあります。
手術直後は、しっかりと噛む必要がある食べ物を控えることで、口腔粘膜を噛んでしまう事態を防ぐことができるでしょう。
熱い食べ物を避ける
手術後、麻酔がまだ効いている状態では知覚が麻痺している可能性が高いです。その状態で熱いものを食べてしまうと、温度を感じることができずに口腔内をやけどしてしまう場合があります。
そのやけどが刺激となり傷が治りにくい原因になったり、感染する原因になったりもします。
熱いおかゆや汁物は冷ましてから食べるようにしましょう。飲むものはなるべく常温のものを摂取するようにすると良いでしょう。
手術部位にダメージを与えないよう熱い食べ物は控え、口腔内にやさしいものを食べるようにしてください。
辛い食べ物はなるべく避ける
香辛料が効いている辛い食べ物は、特に炎症がある場合や痛みがある場合には刺激となってしまう可能性があります。
また、傷口が塞がっていない場合、辛い物がしみる可能性があります。痛みや腫れが心配な場合や、食べて痛みが出た場合などは、傷口を安静にするためにも辛い物は控えた方が良いでしょう。
飲酒を避ける
飲酒によるアルコール摂取は、傷の治りに影響する可能性があるため控えましょう。
アルコールを摂取すると末梢血管の収縮が促され、心臓から送られる血液の拍出量が増えます。それにより心拍数が上がり、心臓への負荷がかかるため患部の血流が阻害されます。
その結果、傷の治癒が遅れることにつながるのです。
また、手術後の飲酒は腫れや痛みが増強する原因にもなります。
術直後から飲酒は可能ですが、出血や痛みを増強する恐れがあるため、過度な飲酒には注意が必要です。
出血や痛みが強くなった場合は、飲酒を控えた方がよいでしょう。
傷口の治りが悪くなることにより、インプラントがぐらついたり脱落したりする可能性が高くなります。そうすると再手術が必要になります。
飲酒を避けることで手術後の痛みや腫れを軽減することができ、傷の治りを良くすることにもつながるため、傷口の状態が落ち着くまでは我慢するようにしましょう。
インプラント手術後の腫れや痛みの対処法は?
インプラント手術後には、手術部位が腫れたり痛みが出たりします。症状を軽減させるためには、術後に処方された薬をしっかり飲むことが大切です。
なぜ薬を飲むことが大切なのかを解説します。
処方された薬はしっかり飲む
手術後には、痛み止めや抗生剤などの薬が処方されます。手術内容や痛みの感じ方により、処方される薬の種類や処方量は異なるかもしれませんが、術後の経過に必要な分量が処方されます。
一般的に処方される薬には、ロキソプロフェンナトリウムがあります。この薬は抗炎症解熱鎮痛薬といい、痛みと炎症を抑える働きがあります。
そのほかに、抗生剤が処方されることもあるでしょう。細菌を殺す働きがあり、手術部位が感染するのを抑えるのに効果的です。
手術部位の炎症や感染を抑える働きがあるため、決められた量をしっかり飲むようにしましょう。
また、痛みが出る前に予防的に痛み止めを飲んでおくことも効果的です。腫れや痛みを最小限にするためにも、処方された薬は忘れずに飲むことが大切です。
腫れや痛みがある場合の私生活での注意点は?
インプラント手術後の腫れや痛みがある場合、私生活の中で注意する点が3つあります。
先述したように、創に刺激を与えないように術直後は安静に過ごすことが大事です。手術部位を触らないことはもちろん、入浴や過度な運動は避けるようにしましょう。
腫れや痛みの症状を悪化させたり、傷の治りを遅らせないためにも注意点を意識するようにしてください。
手術部位を触らないようにする
インプラント手術をした直後は、インプラントが挿入されている部位に痛みや腫れが出やすく、出血もしやすい状態です。
回復を促すためにも、なるべく安静にすることが大切です。そのため手術部位を触らないように意識しましょう。
特に、手術部位の歯磨きは、傷口が開いたり痛みが出たり出血したりする原因になります。抜糸までは手術部位の歯磨きは避けるようにし、洗口液での洗浄にとどめるようにしましょう。
また、強くうがいをすることも傷口を刺激することにつながるため良くありません。
口腔内を清潔に保つことは感染予防や傷口を回復させるためには非常に大切なことです。強い刺激を与えないようにやさしくうがいし、手術部位は触らないようにして過ごしましょう。
手術当日は長時間の入浴を避ける
手術当日は長時間の入浴は控えるようにしましょう。手術後の手術部位は傷口が新しいため出血しやすい状態です。
身体にかかる水圧や体温の上昇も、手術部位に影響する可能性があります。どうしても入浴したい場合は湯船につかることを控え、シャワーを利用するようにしましょう。
手術当日はもちろんですが、腫れや痛みが強い場合は湯船につかることを避けてもいいかもしれません。
手術当日は激しい運動を避ける
手術当日は傷口が新しく、出血する可能性があるため激しい運動を控えましょう。運動は入浴と同じく血行を良くするため出血しやすくなります。
また、痛みや腫れの原因にもなります。体力は傷の治りにも影響を与えるため、できるだけ安静にして休むことが大切です。お仕事や運動をお休みして、ゆっくり過ごすようにしましょう。
投稿者:ワイズデンタルクリニック